

元NHK職員が立ち上げた“受信料拒否”政党
「NHKから国民を守る党」は、2013年に元NHK職員の立花孝志氏によって設立された政治団体。 当初は「NHK受信料不払い党」という名称で、NHKの受信料制度に異議を唱える一点突破型の政党として活動を開始。
立花氏はNHK退職後、インターネット放送局「立花孝志ひとり放送局」を立ち上げ、受信料拒否のサポートや情報発信を行っていた。 その延長線上で政治活動に踏み出し、地方議会選挙に次々と候補者を擁立。2015年には船橋市議に当選し、議席を獲得した。


主張と活動
N党の主な主張は以下の通り:
NHKのスクランブル放送(契約者のみが視聴できる方式)の導入
NHK訪問員による戸別訪問の廃止
受信料制度の見直しと契約拒否の合法化支援
これらの主張は、NHKに対する不満を持つ層に一定の支持を得た。 特に、ネット世代や単身世帯など、NHKをほとんど視聴しない人々からの共感が強かった。


結局、何を残したのか
N党は、何度も党名変更を繰り返したことで知られる。 「NHKから国民を守る党」→「NHK党」→「嵐の党」→「政治家女子48党」→「みんなでつくる党」など、2023年以降は特に頻繁に変更された。
背景には、代表権争いや資金運用のトラブル、ガーシー議員の除名問題などがあり、党内の混乱が続いた。 2025年現在も、立花氏と大津綾香氏の間で訴訟が続いている。


“炎上”で終わったのか、それとも…
2025年11月、立花孝志氏は名誉毀損容疑で逮捕された。 元兵庫県議・竹内英明氏への街頭演説やSNSでの発言が問題視され、刑事告訴に発展。 竹内氏は誹謗中傷に悩み、2025年1月に亡くなっているライブドアニュース。
この事件は、SNS発言の責任や政治家の言論の自由の限界について、社会的な議論を呼んでいる。


残したもの
N党が残した最大のインパクトは、「政治参加のハードルを下げた」こと。 街頭演説をYouTubeで配信し、SNSで議論を巻き起こし、選挙を“コンテンツ化”した。 それは、従来の政党が持っていた“堅さ”や“敷居の高さ”を壊す試みでもあった。
また、若者やネット世代に「選挙って面白いかも」と思わせた点も見逃せない。 実際、N党をきっかけに政治に興味を持った人も少なくない。


まとめ
・元NHK職員・立花孝志氏が設立した“受信料拒否”政党
・主張はスクランブル放送導入とNHK訪問員の廃止
・党名変更を繰り返し、混乱と話題を呼んだ
・SNS・YouTubeを駆使した“ネット選挙”の先駆け
・最終的には訴訟・逮捕などで社会的議論の対象に
・政治参加のハードルを下げ、“型破り”の可能性を示した




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